Potensic A20 Firefly 故障かなと思ったら
イベント用としてPotensic A20を導入して、およそ10ヵ月。
正直見くびってました。なにせ、他のトイドローンと比べて破格の安さなので、安かろう、悪かろうの典型例だと決めつけてました。
フレームに関しても「細くて弱そうだなぁ…。」と思いましたが、沢山の初めてさんに遊んでいただき、天井に当たって地面に叩きつけられたり、激しく壁に当たったりとラフな扱いを受け続けたにも関わらず、6機とも無事に生き残っています。
薄っぺらで多少弾力のあるフレームは、実は靭性もそこそこあって、これまで主に使っていたHoly Stone系と比べると割れにくく、総じて壊れにくい気がします。
構造も単純で、分解もしやすいので、断線の修理などが簡単に出来るのも利点です。
今回は、そんなPotensic A20の不具合の対処例を、思いつく限り挙げてみようと思います。
1.バッテリーが充電できない
久々に飛ばそうと思ったら、バッテリーがおかしくて機体の電源が入らないというケースです。
機体にバッテリーを刺したまま、何カ月も放置していませんか?
ドローンもスマホ等と同じリチウムイオン系なので、バッテリーの残量が空っぽのまま長期間にわたって放置すると、バッテリーがダメになります。
また、電源をONにしたままでバッテリーが尽きると、フライトコントローラー(基板)に良くない影響が出る可能があります。
使い終わったら機体から外す、0パーセントのまま放置しない、を徹底してください。
また、パンパンに膨らんだバッテリーは発火する恐れがあるので、充電しないでください。
それから、フル充電のまま放置してもバッテリーが痛むのがリポバッテリーの厄介な所です。
またすぐ使うから、と油断せず、フル充電なら2~3分飛ばして放電してから保管するのがベストです。
私も油断するタイプなので、今はVIFLY WhoopStor V2という充電器で毎回ストレージしています。詳しくは過去記事をご参照ください。
https://tobicamera.blogspot.com/2022/09/1svifly-whoopstor-v2.html
2.ペアリングできない
周囲に電源が入りっぱなしの機体やコントローラーがあったりしませんか?
コントローラ―の電池残量は十分ですか?
また、4機以上の機体を同時に起動させると、どうしても混線が起こるようです。
電子レンジなど、マイクロ波が出る家電にも影響を受けます。
ペアリングがうまくいかない時は、一旦機体とコントローラーの電源を落として、念のため電池を交換し、少し離れたところから、ゆっくり慎重に試してみて下さい。
3.あさっての方角へ飛んでいく
離陸ボタンを押した途端、
・勝手に上昇し続けて天井に張り付く
・勝手に一方向へ流れる(あっちへフラフラ、こっちへフラフラするのは正常です)
・高度がみるみる下がって着陸する
などの症状があるケースです。
大抵は「キャリブレーション」という方法で治ります。
上の動画を参考に、電源を入れてペアリングした直後に、右のレバーを右下斜め45度に入れて下さい。
なぜか飛ばした後だと反応してくれません。ペアリング直後だと、機体のランプが短く点滅し、キャリブレーション完了です。
これでうまくいかない場合は、プロペラの異常を疑いましょう。このページの4-1の項を参考にチェックしてみて下さい。
それでもおかしい時は、説明書を見ながら「トリム」で調整してみて下さい。
それでもダメなら、センサーの異常やモーターが弱っている可能性があります。現状では交換部品がほとんど流通してないので、買い直した方が安く早く済みそうです。
不具合の機体が複数あるなら、ニコイチ(ダメになった機体から部品を回収して修理)で治せるかもしれません。
4.起動はするけど浮かない
離陸ボタンを押すとプロペラは回るのに、一向に浮く気配がないケースです。
4-1.プロペラの確認
まずはプロペラを疑いましょう。
プロペラには2種類あり、A20の場合は左前と右後ろが時計回りで、根元に「A」と書いてあります。
右前と左後ろが反時計回りで、根元に「B」と書いてあります。
これが合っているようなら、次はプロペラの歪みを確認します。
横から眺めてみて、大きく曲がっている羽根はありませんか?
大きく上に跳ねていたり、下に落ち込んでいる羽根があれば、指でひねって戻してあげましょう。
全部の羽根の先端が同じ高さになるのが理想ですが、厳密にやる必要はありません。大体の高さが同じなら飛びます。
むしろ、いじり過ぎてピッチ(角度)がおかしくなってしまったりの方が怖いので、あまり神経質にならない方が良いと、私は思います。
髪の毛やゴミが絡まっていたら取ってあげましょう。
傷だらけだったり、一部が欠けているなら、素直に予備と交換しましょう。
4-2.モーターの断線
最近、知り合いからの相談で「モーターが回らない」というのがありました。
まずは断線を疑いましょう。
こんな状態ですね。
A20はモーターの配線が下側に露出していて固定されてないので、小さなお子様が引っ張ってしまったり、配線が浮いた状態で何かに引っ掛けて、ハンダ溶接部分が基板からちぎれる可能性があります。
その分、フレームを壊さなくて済むので、分解や修理が楽だったりもしますが。
まずは赤丸で囲った四カ所のプラスネジを外します。
ドライバーは、先が細くて長い物を使います。100均で売っているもので十分です。右端のような付け替え式は、穴が狭くて届かないので使えません。
この件は基板と配線間の断線でした。モーターの下で配線がちぎれるケースもあるので、基板側が無事ならモーター側も確認してみて下さい。
青丸で囲っている部分がネジ止めなので、この一カ所を外せば基板は浮きます。
Tiny Whoop(マイクロドローン)などでハンダに慣れていれば、すぐに治せると思います。
ハンダを持ってない方は、慣れている方に相談しましょう。私もご相談にのりますが、送料を入れると2000円を超えるので、あまりお得ではありません。それでもよければTwitterのDMにてご相談ください。https://twitter.com/tobicamera
ドローンのハンダ付けは範囲が狭く、固定もしづらく、難易度は高めです。これからハンダを買って修理に挑戦する、という方は、関連動画を見て、練習用基板などで十分練習してからにして下さい。お勧めのお手本動画を貼っておきます。
4-3.モーターの死亡
先の手順で配線を確認して、モーターが断線していなかったケースです。
モーターも消耗品なので、いつか終わりが来ます。
他の機体の経験ですが、段々パワーが弱くなって終わったり、突然死んだりと症状はバラバラです。
A20の交換部品は説明書にカタログがあり、「販売元に問い合わせてください」とあるので、交換部品を取り寄せられるのかもしれません。一方、ネットショップ等では2023年1月現在、ほとんど流通していません。
まだ機会がありませんが、次に交換の必要があれば販売元に問い合わせてみようと思います。ただし経験上、格安トイ系の中国メーカーや販売元とのやり取りはしんどいことがあります。
情報の少ない中、互換できそうなモーターを試すことはできますが、それなりに知識が必要で、海外サイトでの通販に伴うリスク、買い間違いのリスクもあるので、好きでやっている方にしかお勧めしません。
フリマアプリでジャンク品を仕入れたり、モーターの死んだ機体が複数できたところで、ニコイチ修理を試すのが無難な気がします。
5.フレームが割れた
写真のこの部分がA20の最大の弱点です。
モーターと本体を繋ぐ、ここの部分に亀裂が入ったり、あるいは写真のように完全にちぎれてしまいます。
確認したところ、手持ちの13機中10機に亀裂、もしくは断裂があったので補修しました。
以上、思いつくままに書きましたが、他にもこんな不具合があったよ、こんな修理で治ったよ、ここの説明は違うよ、交換パーツ取り寄せることができたよ、等があれば、コメント欄でご指摘いただけると嬉しいです。
本日はここまで。
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